飲食業でクレーム言われてばかりの毎日が嫌なので起業して週末はお悩み相談のビジネスをしています。(2)
• SeekSeeds
「いや、平日は普通にOLなんやけど、週末だけハンドメイドしてる」
「それ趣味じゃないん?」
「一応、作品売ってるし、依頼も来るし、よく考えたらジョブになってるかも」
「なるほどなー」
ゲームの中での何気ないやり取りだったが、これがメグミの心に引っかかっていた。
これまでただダラダラとゲームに費やしていた休みの日を利用すれば、新しい何かができるのではないかと希望のようなものが芽生えていたのだ。
翌日。
遅めの朝食を終えた後、メグミはソファーに横になりながらスマートフォンをいじっていた。
「昨日あの人が言ってたのって週末起業ってやつだよね」
週末起業について調べてみると、思っている以上に実践...
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飲食業でクレーム言われてばかりの毎日が嫌なので起業して週末はお悩み相談のビジネスをしています。
• SeekSeeds
「メグミちゃーん!3番テーブルお願ぁーい!」
「はい、わかりました!」
バタバタとメグミは3番テーブルへと向かっていく。
「お待たせしました!ご注文は?」
飲食店ではありふれたシーン。
若い女性が一生懸命に仕事を頑張っていて、微笑ましい……客観的に見れば、まさにその通り。
だが、当事者であるメグミの心の中はどこか淀んでいた。
その心の淀みを誰にも悟られないように、営業用のスマイルを常に顔に貼り付けていた。
何かを考え出すと貼り付けている笑顔がはがれ落ちてしまいそうで、ただただ仕事に集中する。
ただ、そういうときに限って厄介な客に当たってしまうのだ。
「お姉さんさぁ、可愛いけど、なんか心か...
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給料を時給換算したら悲しくなった内気な私は週末限定でテレコール営業代行のビジネスを始めました。(2)
• SeekSeeds
マキは彼女の自慢に10分程付き合うものの、疲労を理由に電話を切った。
温めた冷凍食品を食べながら、趣味の映画鑑賞でもしよう。そう考えたマキは、早速準備を始めてスマホで映画を観始める。
しばらくして電子レンジの『チン』という音が鳴ると、湯気の立ったチャーハンを取り出した。
「あー、お腹空いた。早く食べちゃおう」
空腹から逃れるため、匙を動かす。チャーハンを口に運びながら、映画に集中しようとする。けれども、どうしてか集中できない。
リサの話が耳に残っているのだ。
「私も給料を上げたいな。冷凍食品じゃなくて、もっと豪華なものを食べたい」
ふと思いついたようにスマホを手に取り、ネットの検索エンジンを使って『副業』『起業』と...
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給料を時給換算したら悲しくなった内気な私は週末限定でテレコール営業代行のビジネスを始めました。
• SeekSeeds
「…はぁ。クレーマーばかりで嫌になっちゃう」
マキは駅のホームを出た後、帰路についていた。通勤時間は片道1時間。乗り継ぎは3回。毎回、出勤時に2時間も電車に揺られている。
さらに、駅から自宅に向かうまで徒歩10分はかかる。ふと彼女は自分の人生を思い出して、空を見上げた。
夜11時ということもあり、黒色の空に満点の星々が輝いている。秋の風が頬を撫でた。
私はなぜ、こんな夜遅くに帰宅する生活を続けているのだろうか。空虚な気分になる。
マキは2年制の短期大学を卒業後、3年間保険会社に勤めたが、結果的に離職を選んでいる。
なぜなら、マキが入社した保険会社は膨大な勉強量を必要としており、資格取得のための勉強も含...
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普通の事務OLだった私は就職先での毎日が退屈過ぎて週末起業で小さく自分のビジネスを始めてみることにしました。(2)
• SeekSeeds
気付けば、その場でコウヘイに電話を掛けていた。
深夜、突然の電話に最初は動揺していた様子だったけれど、私のアイデアを聞くなり、彼もどんどん乗り気になって「アプリ作れるやつ、探そう。商店街のそれぞれの店には俺から声かけてみる!」と、明るい声が返ってくる。
それから、仕事を終えるとすぐにコウヘイと集まり、様々なアイデアをぶつけ合った。
煮詰まれば、何かヒントはないかとSeekSeedsを覗き、そこにあるアイデアのかけらを自分たちのアイデアと掛け合わせてブラッシュアップを繰り返していく。
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普通の事務OLだった私は就職先での毎日が退屈過ぎて週末起業で小さく自分のビジネスを始めてみることにしました。
• SeekSeeds
「お疲れ様でした」
定時から5分経った頃、パソコンの電源が切れたのを確認し、そう言って立ち上がった。
フロアにいる8人の社員が私に「お疲れ~」「いつも通り早いね~」と笑いかける。
私が就職したのは、地元の小さな電機会社だ。
社員もここにいる8人と私、そして奥の部屋にいる社長の総勢十人という、非常にこじんまりとした規模の会社だけれど、地元のつながりのおかげか業績は良く、残業も少ない。
私は事務で、毎日ほぼ変わりのない作業を繰り返す……そんな感じだ。
「あっ、マユカちゃん、ちょっとちょっと」
「はい?」
鞄を肩に掛けたタイミングで、課長が私を手招きした。
帰ろうとすると声を掛け...
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